第114章 誰にでも優しいより自分だけに優しい方が特別感が増す。
そうして十分が経過。
東城「若!いよいよ私達の番ですぞ!」
鼻息荒く興奮するのは念願果たせて九兵衛とペアになれた東城だ。頬を赤らめながら九兵衛へと意気込みを語る。そんな熱い東城に嫌気が刺したような顔を浮かべる九兵衛は、東城を睨みながら苦言を呈した。
九兵衛「頼むからくっついてくれるなよ。」
東城「分かっていますとも!若は“女の子は大好き、男は苦手”ですもんね!」
九兵衛「やめろ、その言い方。」
東城「若の勇姿を間近で収められるだけで私は幸せですから!」
そう言って懐からビデオカメラを取り出してスタンバイしようとする東城。だがこの時、不幸にも九兵衛へと手が触れてしまう。
東城「あ。」
九兵衛「うがァァァァァ!!」
すかさず東城の腕を掴んで投げ飛ばす九兵衛。東城は旧館の壁へと叩き付けられた。そしてそんな情景を見守る銀時と新八はボソリと呟く。
銀時「大丈夫か?あいつら。始まる前からあんなんで。」
新八「さぁ。」
二人が冷ややかに見守る中、九兵衛達は旧館の闇へと消えて行った。