第12章 個人情報は何処からか流出する。
その様子を見ていた葵咲は、意を決したような表情をして土方の前へと歩み寄り、しゃがみ込む。そして土方の肩に手を起き、表情を笑顔に変えて言った。
葵咲「大丈夫です。安心して下さい。私が…、私が必ず…護りますから。」
土方「・・・・・。」
葵咲はその台詞だけを残し、鉄子の鍛冶屋から出て行く。そうして土方の意識はまた、心の内側へと消えていった。
新八「真選組内で今何かが起きている、そういう事ですか。もしかして、土方さんもそのせいで真選組をクビになったんじゃ…妖刀にとり憑かれて、あんな状態で何も出来なくて…。」
銀時「さぁな。まァ何が起きてようが起きてなかろうが俺達には関係ねーだろ。これ以上深入りするのはよそうや。」
新八「でもあの土方さんが、よりによって僕らに頼みごとするなんて…。あのプライドの高い土方さんが…恥も外聞も捨てて人にものを頼むなんてよっぽどの事が…。」
銀時「・・・・・。そんなことより、あいつ何処行ったんだよ?」
新八「え?ああ、葵咲さんですか?なんか思いつめたような顔して飛び出して行きましたよね…。」
村麻紗の話を聞いた後、葵咲は土方を置いて刀鍛冶屋を飛び出して行ってしまったのだ。
銀時「まーた無茶なこと考えてなけりゃいいがな。」
新八「・・・・・。」
(中略)