第113章 肝試しはペア決めが一番盛り上がる。
総悟は山崎を陥れて楽しんだ後、きょろきょろと辺りを見回し始める。
一方その頃、ほぼ同時に一郎兵衛も辺りの様子に隈なく気を配っていた。それは・・・・
(総悟・一郎:葵咲は!?)
そう、愛しの女性のペアリングが気になるから。二人は葵咲の姿を探す。そして見付けた。葵咲はくじを手にしながら将軍の傍らに。
葵咲「将ちゃん十一番ですか?私、十一番です。」
(総悟・一郎:将軍かよォォォォォ!!)
同時に心の中で叫ぶ二人。一方そんな心の叫びなど知りもしない葵咲は将軍へと右手を差し出し握手を促した。
葵咲「宜しくお願いします。」
茂々「ああ、宜しく頼む。」
差し出された手を握るか否か、少し躊躇いを見せた将軍だったが、やがてその手を取って固く握手を結ぶ。にこやかな笑顔を浮かべる葵咲に対し、将軍は鼻息荒く目をギラつかせている。
そんな表情の将軍を見た銀時はボソリと呟いた。
銀時「オイ。将軍期待に胸ふくらんだ顔してるけど。完全に邪な事考えてんだけど。ねぇ、大丈夫?これ大丈夫??」
そんな銀時のツッコミには誰も反応せず、空に消えてしまった。
先程心の中で叫んだ総悟と一郎兵衛は軽くため息を吐いて葵咲に背を向ける。
(総悟・一郎:上様相手じゃあ取り替えてもらうわけにもいかねーか。)
相手によっては交渉して交換、無理そうな相手の場合は手段選ばず奪い取るつもりだった二人。だが相手が将軍とあらば、そんな手段を用いるわけにもいくまい。
総悟も一郎兵衛も潔く諦めた。