第113章 肝試しはペア決めが一番盛り上がる。
そよ「兄上様は何番でした?」
茂々「余は十一番だ。そよは?」
そよ「私は一番でした。トップバッターです。」
山崎「!?」
まさかのそよ姫とペア。しかも一番。姫の護衛もしなければならない上に、未知なる世界、スタンドはびこる旧館の肝試しだ。
その事にゾッとした山崎は慌てて総悟へと詰め寄り、彼の胸倉を掴んだ。
山崎「ちょっとォォォ沖田隊長ォォォォォ!?」
総悟「なんでぃ山崎。」
胸倉を掴まれたまま、総悟はしれっとした態度で冷ややかな視線を送る。そんな総悟の態度を見て確信犯だと分かった山崎だったが、涙を流しながら思ったままの言葉をぶつけた。
山崎「なんで俺のと交換したんですか!!」
総悟「姫様のお守りなんてごめんでぃ。お前が適任だろィ。」
山崎「何まぎらわしい真似しくれてんだァァァァァ!!」
分かっていた事ではあるが、単なる自分都合だった。自分が護衛という任務から外れたいが為の交換。だがそれにしたってタイミングが悪すぎだろ!そう思った山崎は涙ながらに総悟へと抗議の姿勢を見せる。
そんな山崎を見て、総悟はドス黒い笑みを浮かべながら言葉を返した。
総悟「誰がソレ、『九番です』って言った?」
山崎「・・・・・。」
いや違う。違う意味での確信犯だった。
持ち上げて落とす、地に落とされた自分を嘲笑う為の布石だった。その事を悟った山崎は言葉を失って力なく総悟を離した。
二人のやり取りを近くで眺めていた神楽は、何かを考え込むように総悟達をじっと見つめた後、キョロキョロしながら歩き始めた。