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銀魂 - 雪月花 -

第113章 肝試しはペア決めが一番盛り上がる。


旧館前。スタンド温泉と名高いあの旅館である。
新館とは打って変わって、おどろおどろしい空気が立ち込めている。だが以前銀時達万事屋と妙の四人で訪れた時より人の数も多く、悪霊の類もいない為、雰囲気は幾分マシである。
そんな旧館の玄関前にて、葵咲が参加者へと呼び掛けた。


葵咲「じゃあ今からくじ引きで男女ペアを決めたいと思いまーす!」


当初は真選組だけで行なおうとしていた肝試し。全員一緒くたにくじ引きを行なう予定だったのだが、色んなメンバーが集まり、男女比が同じ程度になった。どうせなら男女ペアの方が盛り上がるのでは?と、それとなく近藤から促され、それに同意した葵咲は急遽男女ペアに変更したのである。
葵咲の言葉を聞き、目を光らせるのはこの四人。


(近藤:ここは…)

(山崎:絶対に…!)

(猿飛:何としてでも…!!)

(東城:どんな手を使ってでも…!!!)

(近藤:お妙さんとペアに・・・・!!!!)

(山崎:たまさんとペアに・・・・!!!!)

(猿飛:銀さんとペアに・・・・!!!!)

(東城:若とペアに・・・・!!!!)


四人が四人とも、同じような欲望を心の中で叫んでいた。


葵咲「じゃあ順番に…」


くじ引きの番号が書かれた棒を手前に出そうとする葵咲。手前に出すと同時に、四人がケモノのような雄叫びを上げながら飛び掛かる。


「うおおおぉぉぉぉぉ!!」

葵咲「ぎゃあああァァァァァ!!」


思わず身を引いて叫び声を上げる葵咲。まるでハイエナの如く棒に群がる四人に恐怖さえ感じる。何ならスタンドより恐ろしいかもしれない。そんな恐怖体験を強いられたが、葵咲は気を持ち直して四人に向かう。


葵咲「ちょっとぉ!順番ぐらい守ってよ!もう。」


モラルのない四人に苛立ちはしたものの、その後無事にくじ引きを済ませる。何とか全員にくじは行き渡った。

先にくじを引いた四人は、ギラギラと目を血走らせて自らが引いたくじを見る。


(近藤:七番!お妙さんは…!?)

(山崎:五番!たまさんは…!?)

(猿飛:七番!銀さんは…!?)

(東城:四番!若は…!?)

近藤・猿飛「・・・・・。」


隣にいた。ペアが。
近藤と猿飛は何とも言えない顔でお互いを見やった。
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