第112章 裸の付き合いで歩み寄るのは心。
葵咲は一度部屋へと戻り、荷物を置いて宴会場へ。
そして会場に入ると同時に皆へと声を掛ける。
葵咲「今から皆で肝試しにー…ってあれ?皆結構泥酔しちゃってる。」
入って来た葵咲の姿を見付けた松本が傍へと歩み寄る。そして会場内を眺めながら腕組みして唸った。
松本「仕方ないです、参加出来る方だけ参加という事で。」
葵咲「そうしましょうか。」
松本の言葉に頷く葵咲。参加出来そうな人員を探していると、妙達が少し遅れて会場へと到着する。妙達は参加の意を唱えた。
そして他に参加者を募るべく、葵咲が会場内に声を掛けようとすると、近藤と東城が慌てた様子で会場内へと滑り込んできた。
近藤「こ、近藤勲、参加します!」
東城「東城歩も右に同じ!」
葵咲「良かった…。」
少しでも参加者が多いと嬉しい。そんな安堵の笑顔を浮かべる葵咲だったが、ふと目を向けた近藤達の姿を見て眉根を寄せる。
葵咲「って何で二人ともボロボロなんですか。」
近藤・東城「・・・・・。」
女湯を覗こうとしていたところ、スタンドに襲われたなんて口が裂けても言えない。二人は頑なに口を噤んでやり過ごす。葵咲も特に追及はせずにいた。
そして葵咲が引き続き参加者を募る中、近藤と東城は共鳴したように心の中で同じ気持ちを叫ぶ。
(近藤:ここは何が何でも参加せねばならん。)
(東城:あんなところで伸びている場合ではない。)
(近藤・東城:何故なら…)
(近藤:お妙さんも参加するから!!)
(東城:若も参加するから!!)
二人のそんな邪念がある事等知らない葵咲は、宴会場内で参加者の要請を募る。
葵咲「他に参加出来る方、いらっしゃいますかー??」
総悟「俺は参加でぃ。」
一郎「俺も。」