第112章 裸の付き合いで歩み寄るのは心。
続々と参加希望者が集まる中、今回万事屋として仕事で訪れていた新八は会場の隅っこで佇んでいる。
そんな新八へと葵咲が声を掛けた。
葵咲「新八君もどう?」
新八「え、でも僕は今日は仕事で…。」
従業員側の人間が催し物に参加して良いものだろうか。新八が遠慮がちにその事を口にすると、神楽がそんな新八の肩をポンと叩いた。
神楽「八っつぁん、カタイ事言うなヨ。」
そしてその神楽の言葉にそよ姫も続く。
そよ「そうですよ。一人でも多くの参加者がいる方が楽しいですよ。」
新八「姫様は分かるんですけど、なんで神楽ちゃんが言うの。」
真顔でツッコミを入れる新八。そのツッコミは至極正当なものだが、葵咲はそれを笑い飛ばす。
葵咲「まぁまぁ。そよちゃんもこう言ってるし、どうかな?」
新八「じゃあお言葉に甘えて。」
葵咲「長谷川さんもどうです?」
長谷川「じゃあ俺も参加してみっかな。肝試しなんて何年もしてねーし。」
皆にそう言われるのであれば良いか。そう思った新八と長谷川も参加。そして会場の奥で飲み明かしていた かまっ娘倶楽部、西郷も桂を引き連れながら葵咲達の元へ。
西郷「私達も参加して良いかい?」
葵咲「はい、勿論。」
葵咲は桂の女装に気付いている。近藤達真選組も参加する今回の肝試し。正体がバレやしないだろうかと心配するが、ここでそれを口にするわけにもいかない。ひとまず様子を見る事にした。