第111章 酒を酌み交わす事の意義。
そうして新八は一旦お登勢達とは別れ、再び宴会会場へ。
(新八:とにかく他の皆が真選組(かれら)と接触しないようにしないと…。)
そんな考え事をしながら宴会場へと踏み入れる新八。だが中の様子を見て新八は言葉を失った。
(新八:時既に遅しだったァァァァァ!!)
先程案内した団体客達は全てこの宴会場に入り込み、勝手に飲み会が始まっていた。慌てて将軍の姿を探す新八。会場の真ん中あたりで将軍は西郷達に酒を注がれ、飲まされていた。
一瞬冷や汗を垂らす新八だったが、将軍は嫌がっている様子も白目をむいたりもしておらず、楽しそうな笑顔を浮かべている。
新八「まぁあの様子なら…大丈夫そうですかね。」
絡んでしまったものは仕方がない。それに何より、将軍の楽しそうな様子を見て焦りは一瞬で消え去っていた。新八はホッと胸を撫でおろす。
そんな安堵も束の間。すぐに厨房から新八へとお呼びが掛かった。
お岩「酒追加入ったよ!持って行っとくれ!」
新八「あ、はい!只今!」
新八は厨房の方へ、酒を取りに駆けて行った。