第111章 酒を酌み交わす事の意義。
月詠の襲来により、銀時もまさかの戦力外扱いに。玄関口に残されるのは新八ただ一人。とてもじゃないが、たった一人であの大人数の接客をこなせるとは思えない。新八は青ざめて心の中で叫ぶ。
(新八:どうするんだこれェェェェェ!!銀さんは月詠さんに連れられて昇天(フライアウェイ)!神楽ちゃんはそよ姫様と酒とジュースのプールでバタフライアウェイ!とてもじゃないけど僕一人の手には負えない…!こうなったらもう…ランナウェイぃぃぃぃ!!)
仕事なんてクソくらえ。我が身の安全が最優先!そう思った新八は旅館に背を向けて門扉へと猛ダッシュ。
だが更なる来訪客か、門扉の外に新たな人影が現れた。それを見た新八はドキリとする。そしてその影は新八へと話し掛けた。
「おやおや、お困りのようだね。手伝ってやろうか?」
新八「その声は…!」
聞き覚えのあるしゃがれ声。その人物とは…
新八「お登勢さん!?それに姉上!!」
門扉の先で並ぶのは姉の妙と、すなっくお登勢 ゆかりのメンバー達。妙にお登勢、キャサリン、たま、長谷川の姿もある。五人は不敵な笑みを新八へと向ける。
妙「お待たせ、新ちゃん。」
新八「え?どういう…。」
状況が読めない。今回の仕事の依頼人はお登勢本人だ。その依頼者が手伝いに?新八がきょとんとしていると、鼻を鳴らしながらキャサリンが答えた。
キャサリン「オメーラダケジャ、頼リネーカラッテ駆リ出サレタンダヨ!」
お登勢「お岩に頼まれてたんだよ。元々ね。アンタら三人だけじゃ足りないってんで私らも手伝いに来たのさ。」
元々はお登勢に依頼のきた仕事。仕事を請け負った際に万事屋三人を駆り出す提案をしたが、それだけじゃ足りないと言われていたらしい。