第110章 宴会の催し物といえばビンゴ大会。
銀時「素面でああいう事言えるアイツを尊敬するわ。」
新八「銀さんも言ってみたらどうですか?」
銀時「それ俺が言ってるとこ想像してみた?」
新八「胡散臭いですね。」
銀時「…それは言い過ぎじゃね?」
『らしくないですね。』ぐらいの返答を期待していた。だがかなりの酷評に銀時は地味に傷付けられてしまうのだった。
と、ここで葵咲へと熱い眼差しを送っていた一郎兵衛は、何かに気付いたようにハッとして慌てた様子で葵咲に別の言葉を掛ける。
一郎「! と、とりあえず受付済まさせてもらうわ。葵咲も一緒に中入ろうぜ。」
葵咲「え?ちょ、一郎君!?」
半ば強引に葵咲の手を引いて館内へと足を向ける一郎兵衛。葵咲は何がなんだか分からぬまま、引きずられるように中へと連れられる。二人の背中を見送った銀時と新八は、小声で今の状況について声を上げた。
新八「銀さん!どれだけお客さん来るんですか!しかも知り合いばっかり!」
銀時「俺が聞きてーよ!」
新八「マズイですよ!これだけのモンスターが将軍様に絡んじゃったら…。」
銀時「!!」
そうだ、彼らがもし将軍を将軍と知らずに絡んでしまったら…。キャバクラやプールの時のような二の舞になり兼ねない。一瞬で血の気が引く銀時。すぐに頭を切り替えて新八へと対策案を講じた。
銀時「幸い、奴らはまだ将軍の存在にゃ気付いてねぇ。真選組(あいつら)の宴会場と他の会場には仕切りがある。とりあえず一郎兵衛の奴は丸め込んで、何としてでも接触しねぇように…。」
そこで小声で話し合う二人の背後から殺気が。
「ぎ~んと~きく~ん…。なぁにコソコソ内緒話してんの?」
銀時「!?」
不穏な空気に二人は背筋を凍らせる。振り向くとそこには日本酒の大瓶を手に下げた月詠が、しゃっくりを交えながら立っていた。