第110章 宴会の催し物といえばビンゴ大会。
服部「俺達は元お庭番衆で同窓会がてら温泉にでも行くかって話になってな。」
猿飛「言っとくけど今日は違うわよ!ストーカーとかそんなんじゃないから!本当に偶然!本当の本当に、“運命”なのよ!」
どうしても運命に結び付けたいらしい。まぁ旅先で愛しい人に出くわしたとあれば運命と思いたい気持ちは分かる。だがそんな猿飛に対して銀時は鼻をほじりながら冷ややかな目で答えた。
銀時「運命じゃねーよ。単なる偶然だよ。まぁとりあえず入って受付な。」
服部「言われなくてもそうするわ。」
そう言って服部、猿飛に続き、元御庭番衆のメンバー達もぞろぞろと館内へ。猿飛達を送り込み、銀時も館内へと歩を進めようとする。だがその足を引き止めるかのように背後からまた声が掛かった。
「すいませーん。」
銀時「おいおい、どんだけ客来んだよ。つーか聞き覚えのある声なんだけど。スゲー嫌な予感がするんだけど!」
むしろ嫌な予感しかない。聞き覚えがあるというレベルではない。よく知っている声。銀時が振り返り、門扉のところに視線を送ると、そこにいたのは綺麗な女性ものの着物に身を包んだ桂…もとい、ヅラ子だった。
銀時・ヅラ「・・・・・。」
顔を見合わせ無言で立ち尽くす二人。桂はこんな場所で銀時に会うとは思っていなかった為。そして銀時は桂の格好に思考停止した為だ。だが間もなく銀時が表情変えず無表情のまま言葉を送り出した。
銀時「すいませんが、今日は団体客でいっぱいなんでお帰り願えますか。」
ヅラ「お帰り客じゃない、団体客だ。」
銀時「あぁ?つーかお前、なんでその格好…。」
団体客というワードが引っ掛かる。攘夷志士達で訪れたにしては服装云々がおかしい。その事について尋ねようとするが、桂が答えるよりも先に桂の背後から別の聞き覚えのある声が…。