第109章 旅は道連れ世は情け。
近藤「あ、俺だ。例え離れていても愛はここに。お妙さんへの愛の唄を…。」
ブツッ。
歌い始める前に打ち切られる。
近藤「ああああっ!なんで切ってんの!?」
新八「有難うございました。じゃあ次の曲にいきましょう。」
近藤「ちょっと新八君!?それはないんじゃないの!!」
切ったのは新八だった。お妙への愛の唄という言葉にイラッときたらしい。そして次に流れたのは銀魂のアイドル、お通ちゃんの曲。
新八「あ、僕だ。」
銀時「なんでお前もちゃっかり入ってんの。」
おかしな話である。司会者である以前に真選組ではない新八が何故。だがそんな銀時のツッコミを無視して新八はマイク片手に大音量で歌い始めた。
新八「おまえのか~ちゃん何人だァァァァ~~~!!」
「ぐぉぉぉ!!」
「うぎゃあああァァァァァ!!」
新八の音痴具合はコミック第4巻30訓で証明されている。だがそれは読者に向けた話。その事実を知らない真選組隊士達は真向からその音の攻撃を受けて泡を吹く。バタリ、バタリと倒れていく隊士達にはお構いなしに、新八は熱唱した。
そして歌い終わった後、辺りを見回して何人もの隊士が白目をむいて伸びている姿を目にする。
新八「あれ?皆もう酔いつぶれちゃったのかな。」
自分の歌声が原因だとは気付いていない新八。そんな新八に目を向けながらブラックな笑みを浮かべるのはこの男。
総悟「よし、これで大分人数削れたぜィ。」
銀時「オメーの仕業だったんかィィィィィ!!」
風の噂で新八が音痴だと聞いた総悟の仕業だった。総悟が人数を削ろうとするその目的とは…?