第109章 旅は道連れ世は情け。
隊士達が揃い、大宴会の開始だ。銀時は葵咲から受け取った進行表に目を落とす。
銀時「えーっと、まずはカラオケ大会、か。」
新八は先程葵咲から預かった台本に目を落とす。そしてマイクを手に取り、台本を読み上げる。
新八「皆様、本日はお足元の悪い中、仙望郷の湯へお越し頂き、誠に有難うございます。まず始めに皆様にお楽しみ頂くのは…カラオケ大会~~~!!」
隊士達には予め何の曲を歌うか、曲目を提出してもらっている。それらの曲を適当にシャッフルして入力。自分が選んだ曲のイントロが流れたら前に出て歌うという流れである。そうして一曲目のイントロが流れ始めた。
銀時「おい誰だよ。一発目からこんなシケた曲選んだヤツ。空気読めよ。こういう場でしんみりバラードとか入れてんじゃねーよ。」
確かに銀時の言うとおり。宴会やカラオケ大会にて聞かせるバラード曲を選ぶのは不向きだろう。銀時はため息を漏らしながら鼻をほじる。そんな銀時の視界の端で立ち上がったのはこの男…。
茂々「・・・・・。」
(銀時:将軍かよォォォォォ!!)
茂々「将軍家は代々、一曲目はしんみりバラードだ。」
銀時の悪口はしっかりと将軍の耳に届いていたようだ。銀時は冷や汗を垂らしながらも揉み手で先程の発言についてフォローを入れる。
銀時「で、ですよね~。落ち着いた雰囲気から盛り上げていくのが良いですよね~~~。」
茂々「将軍家は代々、歌う曲は全てバラードだ。」
銀時「バラードばっかなの!?マツケン●ンバとか入れないの!?」
新八「銀さん、それ別の将軍です。」
想像していなかったカミングアウトに思わずツッコむ銀時。だがそんな銀時のツッコミに対して、新八がさらなるツッコミを入れた。
次に流れるのは、先程のようなバラードではないが、愛のナンバー。イントロを聞いて立ち上がったのは近藤だった。