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銀魂 - 雪月花 -

第109章 旅は道連れ世は情け。


四人がそんなやり取りをしていると、一向に動こうとしない役立たずの仲居達に土方が痺れを切らして苦言を呈した。


土方「おい。ぼさっとすんなよ、従業員。さっさとお客様を案内しろ。」

銀時「ぐぬぬぬぬぬ…!!」


拳を作って怒りを表現する銀時。なんで真選組(こいつら)なんかの接客をしなければならないんだ。声にならない怒りがこみ上げる。今にも爆発しそうな銀時を新八が宥めるように押さえつけた。


新八「落ち着いて下さい銀さん!彼らは良いとしても将軍様がいるんですから!僕ら、接客を間違えれば…」

『三人揃って打首獄門…。』


新八の声に、我に返る銀時。先程の怒りの表情は一気に色を失い、青ざめる。


銀時「・・・・・。」


そして銀時は何かを思い立ったように、館内へと歩を進めようとする土方の肩をガシッと掴んで引き留めた。


銀時「おい。なんでここに来た?」

土方「アァ?なんでもクソもねーよ。さっき葵咲が言ったろ。慰安旅行だ。」

銀時「お前、ここがどういう場所か知ってんのか?」

土方「あん?」


銀時は庭先の方をスッと指差す。
ゆらぁぁ…。
そこにはたまたまスタンドがいた。そしてそれを目にした土方は一瞬で凍り付いた。


土方「・・・・・・・・・・。」


ゾワワッ。
土方の背筋に冷たいものが走る。言葉を失う土方に、銀時は更に言葉を掛けた。


銀時「早く帰った方が良いんじゃね?」


銀時は土方を使って早々にお帰り頂くのが賢明だと判断したのだ。そうすれば不可抗力で接客する必要はなし、将軍に気遣う必要もなし。あわよくば当日キャンセルで旅費は発生。楽して稼ぐ事が出来る、そう考えたのである。
土方はこの場所を提案した松本へと目を向ける。
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