第108章 心霊スポットには身代わり人形が必須。
胸に手を当てて安堵の息を漏らす銀時。そんな心底安心しきった顔を見て、お岩は腰に手を当てながらフッと笑み零した。
お岩「アンタ達には前に迷惑掛けちまったからね。今回の仕事が無事にすんだら、ゆっくり温泉にでも浸かって行くと良い。勿論賄い付きだよ。今晩の夕食と明日の朝食、昼食もご馳走するよ。」
神楽「イヤッホー!!」
新八「有難うございます。」
飛び跳ねながら喜ぶ神楽に、深々と頭を下げる新八。そんな二人の様子を見て、お岩は表情切り替え、背を向ける。そして旅館の奥へと歩を進めた。お岩に付いて行くようレイに促されて三人も歩き出す。そうして従業員用の部屋に入ると、お岩が旅館の仕事着、法被を三人に渡した。
お岩「今日は幕府のお偉いさんも来るからね。説明してる暇はないよ。さぁコレに着替えて、とっとと支度しな。グズは嫌いだよ。」
新八「幕府のお偉いさん?」
そう問い掛けるも、お岩がそれに答えるよりも先に入口の方から叫ぶ客の声が。
「すいまっせーーーん!!」
お岩「ほら来たよ!表へ出てお出迎えしな!」
促されて三人は慌てて着替えて部屋を出る。そして急いで玄関に向かった。
銀時「なんかどっかで聞いた事ある声だったんだけど。」
聞き覚えのある声に反応する銀時。新八も同じ事を思う。だがそれをここで話していても仕方がない。とりあえず玄関に赴き、入口前で待機している客達に声を掛けようとするが…。