第108章 心霊スポットには身代わり人形が必須。
引きずられながら館内へと足を踏み入れた銀時は唖然とする。
銀時「・・・・え?何?ここ。別世界?」
新八「ね、言ったでしょ。新館が増築されたんですって。」
旧館の隣に新館が増築されたとの事。建てたばかりの新しく綺麗な建物は、以前訪れた旧館のような、おどろおどろしい雰囲気は皆無。普通の一般的な温泉旅館そのものだ。いや、むしろ新築でそんじょそこらの古びた旅館より断然綺麗。銀時は先程までの態度改め、安心した様子で立ち尽くす。
そんな銀時の目の前に、突如壁からスタンドが現れた。
レイ「ギン、久しぶり。」
銀時「ギャアアアァァァァァ!!」
目の前に現れたスタンドは見知った顔。以前一緒に女将と闘ったレイだった。身をよじらせて驚きを表現する銀時に、レイは呆れた顔でため息を吐く。
レイ「いい加減慣れなよ。」
銀時「こちとらブランクあんだよ!あっ、別にビビったわけじゃないからね!?いきなり目の前に出てきて吃驚しただけだからね!!」
急に目の前にレイが現れた事で吃驚したという事には嘘偽りはない。だが勿論スタンドに耐性があるわけではない為、いずれにせよ驚いた事だろう。
銀時が心臓の高鳴りを落ち着かせていると、奥からこの旅館の女将、お岩が迎え出た。
お岩「よく来てくれたね、アンタ達。」
新八「お岩さん。こんにちは、お久しぶりです。」
神楽「元気してたアルか?」
お岩「このとおりだよ。今回手伝ってもらうのはちゃんと人間のお客さん相手だから安心しな。」
ビビリまくっている銀時への配慮の言葉。その発言を聞いた新八は銀時を肘で小突く。
新八「ほら。」
銀時「ホッ。」