第108章 心霊スポットには身代わり人形が必須。
ただでさえ苦手なスタンド。忘れられるはずもない。そんな地に再び連れて来られたとあっては怒るのも無理ない話だろう。
だがそれに対して新八は笑顔で言葉を返す。その根拠のない“大丈夫”に銀時は苛立った。一度見知っているからという意味だろうか。知っていても怖いものは怖い。それを告げたいが、プライドが邪魔して告げられない。
銀時がもどかしく睨んでいると、新八が言葉を繕う。
新八「なんでも本場さながらの肝試しが出来る幽霊温泉って拍が付いたらしくて、人が人を呼んで一躍有名な観光名所になったらしいです。それで沢山の人達が泊まれるよう増築されたとか。今回僕らがお手伝いするのは新館の方らしいですよ。」
銀時「新館に泊まるのがスタンドってオチじゃねーだろうな!?」
神楽「心配いらないネ。有名な団体客が数組入ったって言ってたアル。」
銀時「どんな団体客だよ!?家康一行か!?頼朝一行か!?」
新八達の言葉を受けて抵抗の力を緩めるも、銀時はすっかり疑心暗鬼に陥ってしまっている様子。そんな銀時を安心させるかのように新八が更に言葉を続ける。
新八「どんな人かまでは聞いてませんけど、スタンドじゃなくて人間が寝泊まりする新館です。ちなみにこの間はぬいぐるみを抱えた十歳ぐらいの女の子と、二十歳前後のカップルも泊まりに来たらしいですから。」
銀時「! へ、へぇ~。」