第108章 心霊スポットには身代わり人形が必須。
数日後。
知る人ぞ知る秘境の地。山々に飾られるは雪化粧。そんな江戸から離れた山奥にて叫ぶのはこの男。
銀時「イヤだァァァァァ!!」
新八「ほら、我侭言わないで下さい。」
神楽「ここまで来たら仕方ないネ。腹くくるしかないアル。」
バス停にて駄々をこねるように、頑なに動こうとしない銀時。そんな銀時の両手を引っ張るのは新八と神楽だ。ズルズルと引きずられて少しずつ前へ。三人はとある看板の横を通り過ぎる。見覚えのある看板。全身から血が吹き出てるおじいさん…もとい、温泉に入っているおじいさんの絵が描かれた看板である。
そう、ここは仙望郷。以前銀時達がスタンドと闘いを繰り広げた幽霊温泉である。(コミック第23巻196訓~参照。)
一歩、また一歩と着実に歩みを進めながらも銀時は必死に抵抗する。
銀時「テメーら騙しやがったなァァァァァ!!」
新八「だって本当の事言ったら銀さん来なかったでしょ?」
ここ数日、万事屋には仕事の依頼がなかった。そんな折、お登勢から仙望郷の手伝いをして欲しいと舞い込んだ仕事。やっとありつけた仕事を無下にするわけにはいかなかった。
かと言って本当の事を言えば銀時は断り兼ねない。そんな訳で新八と神楽は銀時に嘘を吐き、サプライズと称して場所を告げずにこの地へ連れて来たのだ。
到着して見覚えのある景色に銀時は冷や汗を垂らし、バスから降りて必死の抵抗を繰り広げたというわけだ。
そしてその抵抗は今なお続く。
銀時「あたりめーだろーが!!こちとらテメーらより酷い目にあったんだよ!!」
新八「まぁまぁ。でも今回は大丈夫だと思いますよ。」
銀時「アァ!?」
確かに以前一番の貧乏くじを引いたのは銀時。新八、神楽、妙が幽…もとい、スタンドに取り憑かれてUNOをし続けていた中、銀時だけがスタンドの接客をさせられたのだ。