第12章 個人情報は何処からか流出する。
近藤「ああ。伊東先生は初めてか。少し前からうちで住み込みで働いてもらってる市村葵咲ちゃんだ。」
葵咲は、笑って答える近藤の横に腰を落とし、伊東に深々と頭を下げて挨拶をした。
葵咲「初めまして、市村です。ご挨拶が遅くなってしまってすみません。」
伊東「どうも。君はなかなか聡明な女性のようだね。」
葵咲「いえ、聞きかじっただけの知識です。」
近藤「いやいや!先生、葵咲ちゃんは本当によく出来た子なんですよ!仕事も凄く早くてトシの秘書役も勤めてもらってますから!」
伊東「ほう…。土方君の…。秘書役というのは?」
近藤「おっ。先生、葵咲ちゃんに興味がおありですか?勘定方の仕事がメインですが、トシのスケジュール管理や、資料作りの仕事もしてもらってるんですよ。」
伊東「ほう…。」
近藤「完璧な上に、仕事も早いから言うことなしです!」
伊東「それは素晴らしい…。さて近藤さん、話を戻すが、あのような者達が幕府にあっては…」
(中略)