第108章 心霊スポットには身代わり人形が必須。
照れるように頭を掻く葵咲。葵咲の隊服を見て、その女性の中でも何かが繋がったようだ。あの時自分を助けてくれた動きや言動。それは真選組隊士としての生業なのだと理解したようだ。
葵咲はふと視線を落とした事で気付いた事があった。女性は大きなお腹をしており、腹部を優しく撫でるように手を添えている。これはもしや…!察した葵咲は期待に膨らむような顔を浮かべて女性に尋ねた。
葵咲「あの、もしかして…。」
「ええ。もうすぐ臨月になるの。」
葵咲「そうなんですね!おめでとうございます!」
パァッと明るい笑顔を浮かべる葵咲に女性も嬉しそうな笑顔を返す。そして葵咲はハッとなって思い付いたままの言葉を発した。
葵咲「もしかして短英さんの?」
「違いますよ。」
その言葉には女性も一瞬で色を落とした。少し呆れた表情を浮かべる。だがすぐに気を取り直し、女性は再び微笑を浮かべて葵咲に言葉を掛けた。
「今少し、お時間宜しい?」
葵咲「はい。」