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銀魂 - 雪月花 -

第106章 観光は親しい相手とするからこそ楽しめる。


ひととおりの報告が完了し、近藤はフゥと一息ついて松本へと向き直る。


近藤「しかし、結構時間が掛かったな。やっぱり薬の解析って時間掛かるもんなのか?」


二人が萩から戻って来るまで約一ヶ月の時を有していた。犯人は既に逮捕。現場も事件直後のまま押さえている為、それほど時間は掛からないと思っていた。それがひと月もの時間が掛かった上に、まだ分からない事だらけで調査継続中。近藤は薬を調べるのには時間が掛かるものだと思ったのだ。
だがそれに対して松本は首を横に振る。


松本「いえ、薬の調査自体はそれほど時間は掛かっていません。資料が見付かりましたので。薬の成分まで自力で調べていたら、まだ帰って来れてませんよ。」

土方「じゃあなんでこんなに遅くなった?まさか観光してたんじゃねぇだろうな。」


ため息交じりに応える松本に対し、土方は少し苛立った態度を見せる。緒方の取り調べは基本的に見廻組が行なっているのであれば、資料を見付けてすぐ帰って来れたのではないか?
それを指摘する土方。それに対しては山崎がムッとして答える。


山崎「するわけないでしょ。」


山崎の答えに対して、同じく小さくため息を漏らしながら頷くのは松本。同意して助け舟を出してくれる…かと思いきや。


松本「山崎さんと二人で観光しても…ねぇ。」

山崎「ちょっとぉ!?どういう意味ですか!!」

松本「すみません、他意はないです。山崎さんと二人で観光するぐらいなら早く帰った方がマシというだけで。」

山崎「他意っていうか悪意しかないんですけど!!」


他意がないとは、“ふたごころない”という意。基本的に悪意はないですよ、という意味合いで使われる事がほとんどなのだが、まさかの悪意しかない発言に山崎は涙目だ。だがある意味説得力のある松本の言葉に、近藤と土方は大きく頷く。それに対して山崎はまたもや目に涙を浮かべた。
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