第105章 備えあれば憂いなし。
緒方「“貴方には一応、お伝えしておいた方がいいかと思いまして”。」
松本「…貴方、本当に天国と地獄のドラマ、好きなんですね。」
緒方「フフフ。」
どうやら緒方は、ドラマ、天国と地獄が至極お気に入りの様子。日高陽斗の癖を真似たり、発言を真似たり。耳たぶを触る癖については実際見たわけではないが、後日葵咲から聞いた松本。その事が頭にあった為、思わずツッコんでしまった。
暫く沈黙が降りる室内。松本は少し考えた後、深く目を瞑りながら別の質問を投げ掛ける。
松本「・・・・それはそうと、緒方先生はお若いですね。私より年上でしたよね?おいくつですか?」
緒方「う~ん、いくつだったかな?いつからか自分の歳を数えるのをやめてしまったから。」
松本「何かされているのですか?」
緒方「特に何も?単なるアンチエイジングだよ。」
明確な回答は出ない。だがそれこそ何かわけがあると言わんばかり。その発言を聞いた松本と佐々木は何かを考え込むように黙って緒方を見据えた。
佐々木「・・・・・。」