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銀魂 - 雪月花 -

第105章 備えあれば憂いなし。


松本「…私も少し、彼と話しても宜しいですか?」

佐々木「ええ。構いませんよ。むしろ貴方の方が情報を引き出すのに適任かもしれませんね。」


佐々木の許可を得て松本は頷く。そして部屋のドアを開けた。松本の姿を捉えた隊士は、その後ろにいた佐々木の顔を見る。頷く佐々木を見て隊士は退席した。隊士が部屋から出て行くのと同時に松本が腰掛けて緒方へと目を向ける。緒方は松本へ、ニッコリと微笑み掛けた。


緒方「おやおや、これはこれは松本先生。本日はお日柄も良く。」


不測の事態に対応する為にもこの部屋に外に通じる窓はなく、天気は分からない。あからさまな嫌味発言だ。松本は緒方の発言を聞いて眉をピクリと動かすも動じず、用件を切り出した。


松本「前置きは良いです。単刀直入にお尋ねします。あの工場で研究していたのは合成薬だけですか?」

緒方「ククッ。それは警察の方々が調べたとおり、“出てきたものが全て”だよ。」


探し出せていない警察が無能と言わんばかりの含みのある発言。先程の天気の話といい、緒方は人の神経を逆撫でするのが好きなようだ。恐らく緒方の性格上、これ以上追及しても、のらりくらりだろう。松本は質問を変えてみる事に。


松本「では葵咲さんに投薬したのは?」

緒方「あぁ~。あれね。」

松本「どんな効力があるんです?」


言及されるその言葉に、緒方はフッと笑みを漏らして目を瞑る。


緒方「さて…ね。効力は発揮されるかもしれないし、されないかもしれない。それは今後の彼女次第、かなぁ。」


発言の後ににっこりと向けられる笑顔は不気味以外の何物でもない。だがそんな緒方に屈する事なく、松本は更なる質問を投げ掛けた。


松本「普段の生活に関係していると?」

緒方「いいや。彼女の今後の身の振り方次第って事。」
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