第104章 第百四訓 「真剣勝負にドーピングは邪道。」
- 銀時サイド -
玲央の特殊攻撃を受けてしまった銀時と近藤。二人は額に手を押さえたり、頭を抱えながら視線を地に落としていた。そんな二人の様子を見て悦に浸る玲央。玲央はクククと笑いながら銀時達に言葉を浴びせた。
玲央「さぁ。悪に染まれ。人間のありのままの欲望を…!!」
銀時・近藤「・・・・うぉぉォォォ!!」
自我を失ったように獣のような雄叫びを上げる二人を見て、玲央はニヤリと笑う。そして二人は己の欲望を大声で吐露し始めた。
近藤「お妙さァァァん!!ヤらせてェェェェェ!!!」
銀時「金だァァァ!金をよこせェェェ!!家賃なんて糞くらえじゃァァァァァ!!」
玲央「なっ!?」
二人の欲望を聞いた玲央は目を見開く。我々読者からすれば当然とも言える二人の欲求だが、どうやら玲央にとっては想定外のものだったらしい。玲央は唖然としながら呟く。
玲央「何故だ!?侍なんてのは所詮は血を求める人斬り。理性の箍を外しゃあ血に飢えた殺人欲求、他者排除欲が出てくるはず…!何故互いに殺し合わねぇ…!?」
玲央は侍である銀時と近藤なら血を求めて二人で斬り合うと予想していたのだ。まさかそんな低俗な…もとい、金銭欲や性的欲求が露わになるとは。
想定外の事態が起こると、人は少なからず動揺してしまうもの。それを銀時達は見逃さず、すかさず玲央へと拳を繰り出した。
玲央「ぐぁっ!!」