第103章 世界は広い。
- 銀時サイド -
玲央と対峙する銀時と近藤。玲央の変貌を見た二人は一筋の汗を頬に伝わせる。玲央の右手は顔の五倍ぐらいの大きさとなり、かぎ爪のような鋭い爪を有していた。腕と足の色も肌色から漆黒へと変化している。
銀時「あれがドーピング作用のある薬ってわけか。」
その言葉を聞いた玲央は、少し嬉しそうな顔を浮かべて感嘆の声を漏らす。
玲央「へぇ~そこまで知ってんのかよ。思ったよりやるじゃん。けど、分かってるだけじゃあ勝てねーぜ!!」
次の瞬間、気が付けば玲央は銀時の目の前に滑り込んで来ていた。変わったのは外見だけではないらしい。スピードも格段アップしている。銀時は何とか木刀でガードするが、力も相当なもの。そのまま近くの木へと突き飛ばされた。
銀時「ぐっ!!」
激突した先の木を三本程なぎ倒し、四本目でようやく止まる事が出来た。その衝撃で銀時はその場に倒れ込む。
近藤「万事屋!!」
玲央「人の心配してる余裕なんてねーだろうが!!」
その声を聞いた近藤は振り返るが、それよりも先に玲央は攻撃を繰り出していた。近藤もまた、かぎ爪のような手による攻撃で突き飛ばされた。
近藤「ぐはっ!!」
二人が地面へと倒れ込む様を見て、玲央は手前に倒れていた銀時の傍へと歩み寄る。そしてケラケラ笑いながらその姿を見降ろした。
玲央「赤子の手を捻るってのはこういう事言うんだろうなぁ。地球の侍も大した事ねぇな。」