第103章 世界は広い。
先程、神楽達の戦いを見ていて気付いた事があった。異形種達の背にアンテナのような針が刺さっていたのだ。紗羅のフルートの音色で彼らを操っているのであればアンテナは必要ないだろう。耳はあるのだから音の届く範囲ならアンテナは不要のはず。となれば、そのアンテナは別の意味合いがあると推測したのだ。
詳しく説明している時間はなく、断片的な説明であるが故に内容を完全には落とし込めない山崎。だが松本の性格上、意味のない事を無闇矢鱈には依頼しないだろう。そう思った山崎は松本からの依頼を素直に受け取る。
山崎「分かりました、探してみます。」
そう返事をして山崎は電話を切る。そんな山崎を傍らで見ていた新八は山崎の顔を覗き込んだ。
新八「何か分かったんですか?」
山崎「電磁波を発しそうなもの、電波塔のようなものを探そう。それで異形種達を統括している可能性が高いみたいだ!」
キリリとしたドヤ顔を向ける山崎。そんな山崎の顔を見た新八は強く頷くとかではなく、眉根を寄せながら山崎の背後にあったモノを指差した。
新八「それって…これじゃないんですか?」
山崎「え?・・・・あ。」
工場内六階。新八達はいかにも何かを発信しそうな怪しげな塔を発見した。