第103章 世界は広い。
- 新八サイド -
ピリリリリッ。
新八「うわっ!何ですか!?」
工場内上層部を探索していた新八達。ここで山崎の携帯が突如鳴り響いた。その事で一緒にいた新八と長谷川の心臓は跳ね上がる。慎重に、異形種達と遭遇しないよう気を張っていた一行。それが山崎の携帯マナーモードオフで打ち砕かれたのだ。長谷川は怒りを露わにして山崎へと詰め寄る。
長谷川「ちょ!アンタホントに監察ゥゥゥ!?電源切っとけよォォォォォ!心臓止まりそうだったぞ!!」
新八「いや、アンタの声の方がデカイよ!」
そんな長谷川の抗議や新八のツッコミを無視し、山崎は至って平然とした態度で電話に出た。
山崎「もしもし。」
長谷川「しかも普通に出るのかよ!」
山崎に電話を掛けてきたのは松本。着信を見た山崎は、事件に関する何か重要な伝達だと思い、すぐさま応答したのだ。
松本「山崎さん、この工場内に塔のようなもの、電波塔のような物はありませんか?」
山崎「電波塔?」
言われて記憶を手繰ってみるも、現在調査した一~五階ではそのようなものは見当たらなかった。あくまで薬品精製の為の工場施設、そんな場内だった。山崎が考えながら唸っていると、松本が更に説明を付け加える。
松本「私の予想では上層階だと思います。恐らく最上階か屋上。そこから何らかの電磁波を発し、異形種に変えれた者達を取りまとめている、もしくは異形種達の力をコントロールしているのではないかと。まだ確証はありませんが…。」