第102章 天才の頭のネジが外れればサイコパス。
- 銀時サイド -
この玲央という男はそれ程強くないのだろうか。いや、最強の侍二人がタッグを組んでいるのだ。銀時と近藤が優勢になるのも頷ける。朝飯前ともいえる状況に、銀時達の表情にも余裕が出て来た。そんな余裕綽々の顔を見て玲央は歯噛みする。
玲央「なかなかやるな。お前ら侍がそこそこ強ぇ事は認めてやるよ。」
近藤「大人しく投降しろ。」
そう言って刃先を玲央へと向ける近藤。だがこれに素直に従うはずもなく、玲央は地面に唾を吐き捨てた。
玲央「ケッ、冗談言うな。なんで俺様がお前らガキ二人に投降しなきゃなんねーんだよ。つーかお前らより俺の方が多分年上だぜ?ちょっとは敬…。」
銀時「いや、それは見れば分かるよ。」
玲央「え?」
見た目は神楽と同じ齢ぐらいに見える玲央。見た目の幼さは玲央本人も自覚している。にもかかわらず、銀時に年上である事をすんなり受け入れられた。玲央は思わずきょとんとなる。
なんだ、案外地球の侍って奴は見る目があるのか?そう思ったのも束の間。銀時はまさかの持論を述べる。
銀時「今時“鼻絆創膏”なんて流行んねぇだろ。そんなダセェ昭和スタイルキメてりゃ誰が見ても年上だって分かるよ。」
玲央「誰がダセェ昭和スタイルだァァァァァ!!」
銀時「あっ、ごめん。もしかして格好良いとか思っ…。」
玲央「思ってねぇしィィィィィ!!一ミリたりとも思ってねぇしィィィィィ!!これは昨日…アレだ、ちょっと転んで擦りむいただけだしィィィィィィィィ!!」
まさかの切り口に玲央は顔を真っ赤にする。そう、玲央は鼻に白いテープを貼っているのだ。一昔前のキャラクターがこぞってやってたスタイル。どうやら本人的には格好良いと思っていたらしい。シャチのギザギザと一緒だ。
玲央の態度を見て空気を読んだ近藤は、コソッと銀時に耳打ちする。
近藤「おい万事屋、子ども相手に何ムキになってるんだ。酷い事言ってやるなよ。本人はあれが気に入ってんだ。そういうのは生暖かい目で見といてやれ。」
玲央「オメーが一番酷ぇだろ!!バカにしてんじゃねぇ!!」
近藤の優しさの方がグサリと刺さった。