第102章 天才の頭のネジが外れればサイコパス。
- 新八サイド -
緒方追跡チームとは一旦別れて工場内を探索する新八達。四人は社員や異形種、鐡と遭遇しないよう細心の注意を払いながら上層階へと進んでいた。
新八「この工場、全ての階層で薬を作っているというわけでもなさそうですね。」
山崎「うん、薬の製薬に関わってる場所は五階までってところかな。」
四人は既に五階まで調査完了していた。地下から五階までの造りは、ざっとこんな形だ。
地下:緒方の実験室?私室?(未調査)
一階:事務室・薬品接種会場
二階:薬品倉庫(一部の薬品は一階の外へ出している様子)
三階:検品・治験等研究施設
四階:作業・製作行程
五階:作業前材料、その他備品保管庫
ここまでの調査で工場内にあるもの全てが怪しく、証拠品に成り得ると判断された。四階にて作られている物は薬品だが、恐らくそれはこの場内を徘徊する異形種達を作り上げる為の薬品なのだろう。一~三、五階もそれに関連する物。全ての階層で、この工場がクロだと示されていた。
そして六階へと上がる階段の前で、四人は階上を見上げながら言葉を交わした。
新八「六階より上には何があるんですかね?」
一階~五階で薬品の製造や管理は完結しているように思えた。故に六階より上の施設に検討がつかない。鐡や異形種達との遭遇が懸念された。
怪しさ満天の上層階に、正直足がすくんでしまう。だがここで佐々木が先陣を切って階段へと足を進めた。
佐々木「怪しい事に変わりありません。調べてみましょう。」