第102章 天才の頭のネジが外れればサイコパス。
松本から情報を得た事で、皆は更に気を引き締めて顔を見合わせる。そしてこの場の者達を指揮するように、佐々木が口火を切った。
佐々木「情報がある程度まとまったところで、緒方を追いましょう。人数が多ければ良いというものでもありません。相手がそんなサイコパスであるなら尚更。ここにいる全員で向かっても足を掬われ兼ねない。緒方のところに宇宙海賊“鐡”のメンバーもいたとあれば、その者との戦闘は必須。戦闘力の高い者が緒方の元へと向かった方が良いでしょう。」
神楽「じゃあ私は緒方追跡チームネ!」
神楽からの申し出に佐々木は唸る。隣村チームと工場チームに分けた際に神楽を隣村チームに入れたのは、民間人を事件に巻き込まない為だ。ここで神楽を緒方追跡チームに入れてしまえば、その意味が崩れてしまう。
佐々木がその事を伝えようとするが、神楽の瞳はそれを受け入れる様子はなかった。佐々木はフゥと一つため息を吐いて言葉を返す。
佐々木「…仕方ありませんね。お願い出来ますか?」
神楽「ヤッホー!」
新八「そこ、そんな喜び方する場面じゃないんだけど。」
異様な喜び方をする神楽に思わず呆れ顔でツッコミを入れた新八。そして佐々木は神楽、土方、桂、信女へと目を向けながら再び指揮を執る。
佐々木「では貴方方四人は緒方の追跡をお願いします。私を含めた残りの五人は工場内の探索へ。」
佐々木の指示を聞くや否や、その意見に反論を唱える者が…。
長谷川「ちょっと待てェェェェェ!!何で俺まで調査に加えられてんの!?」
そう、この場にいるのは土方、桂、佐々木、信女、山崎、松本、新八、神楽…そして彼らを送り届けて来た長谷川の九人だ。チーム分けの四人&五人にちゃっかり加えられている。そんな長谷川の反論に、佐々木はしれっとした顔で言葉を返した。
佐々木「貴方も元はエリートでしょう?過去の余罪を問われたくなければ協力なさい。」
長谷川「・・・・・。」
これには返す言葉もなかった。長谷川は佐々木の指示を飲むより他ない。渋々、といった様子で承諾する長谷川に対し、佐々木は少し彼の気持ちを和らげる言葉を投げ掛ける。