第101章 大切なモノは己の手で護り抜け。
“鬼舞辻”とは勿論、鬼滅の刃の鬼舞辻無惨である。
普段はツッコミ役の山崎だが、あまりの台詞の少なさに耐えきれずにボケで入り込んできた。そんな山崎へと新八は冷ややかな視線を送る。
ジミーズの事は無視して信女は続ける。
信女「葵咲が手に入れば、あの方に近付けるって。」
松本「あの方とは?」
信女「さぁ…。そこまでは分からない。」
緒方という人物を思い浮かべ、“あの方”について考えてみるも、思い当たる節は見当たらなかった。松本が唸る横で、佐々木は信女へ不思議そうな顔を向ける。
佐々木「ですが、貴女らしくないですね。緒方という男は異端者であるにせよ、普通の人間と変わりないでしょう。貴女が後れを取るとは。」
信女「天狗村の人達が…異形の化物に変えられていた。彼らを人質にされた事で葵咲が捕まってしまった。」
信女の言葉を聞いてハッとなる隣村チーム。昼間調査した村での出来事を思い出し、各々が言葉を発した。
新八「異形の化物!?」
山崎「それってもしかして…!」
佐々木「…なるほど、これで全て繋がりますね。」
納得したように頷く佐々木ら隣村チームに対し、状況が把握出来ていないのは土方、桂、信女の三人。全く繋がらない話に眉根を寄せた。
土方「なんだよ。お前らだけで勝手に納得してねーで説明しろよ。」
置いてけぼりのこの状況に、少し苛立ちを見せる土方。せっかちな土方に対してため息を吐く佐々木。そんな佐々木の態度に、土方は更に苛立ったようにムッとした表情を浮かべる。やはり共闘関係にあっても犬猿の仲は変わらない。
だが状況説明しないわけにもいかず、佐々木は要点だけ掻い摘んで説明を施した。