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銀魂 - 雪月花 -

第100章 頼りになるのは全集中の呼吸。


- 銀時サイド -

屋上から吹き飛ばされたのは信女だけではない。銀時と近藤も落とされたわけだが、二人もなんとか無事な様子。この季節が功を奏した。山となった落ち葉がクッションの役割を果たしてくれたのだ。
先に気が付いたのは近藤。近藤は背中から落ちた。打ち付けた背を摩りながら起き上がる。そして近藤は近くに銀時の姿がある事を視認し、声を掛けた。


近藤「…っててて…。おい、万事屋、大丈夫か?」

銀時「ああ。…ってぇ~。結局俺らも落ちちまったな。」


近藤からの呼び掛けで目を覚ます銀時。銀時は受け身を取りながら落下し、転がった先でうつぶせになったらしい。うつぶせの状態から四つん這いになり、起き上がった。二人は一度顔を見合わせた後、立ち上がって工場を見上げる。


近藤「奴らにはバレちまったし、とりあえず別の場所から潜入出来ねぇか調べて…。」


そこまで話したところで背後でガサガサという音が鳴る。二人は目を見開き、慌てて振り返った。
新手か?それとも先程の鐡のメンバーが後を追ってきたのか。二人は腰に下げた木刀や刀に手を掛けながら身構える。
次の瞬間、茂みから何かが出てきた。


銀時・近藤「・・・・・。」


固まる二人。そこには人面蜘蛛がいた。
二人は人面蜘蛛を視界に入れたと同時にダッシュで駆け出していた。何処かで見た事のある人面蜘蛛。


近藤「ぎぃやぁぁぁぁ!こんな事あるゥゥゥゥゥ!?」

銀時「いィィィィィやァァァァァ!!人面なんですけど!人面蜘蛛なんですけどぉ!どういう事コレェェェェェ!?どういう事ォォォォォ!?」

近藤「なんか何処かで見た事あるんだけどォォォォォ!!」


鬼滅の刃、那田蜘蛛山編で出てきたアレだった。我妻善逸張りの全速力で駆け抜ける銀時と近藤。人面蜘蛛が追ってこないだろうかと、その事が心配で背後にばかり意識を集中させていた。
少し走ったところで、ふと前を向いた近藤が嫌なものを視界に入れてしまう。近藤は更に驚愕の顔を浮かべながら叫んだ。


近藤「んげェェェェェ!!前からも人面蜘蛛がァァァァァ!!」


近藤の叫び声を聞いて銀時も前を向く。そして意を決したように眉根を寄せてその足を止めた。銀時が立ち止まった事で、近藤も足を止める。そして近藤が怪訝な顔を浮かべながら銀時を眺めていると、銀時は腰に下げた木刀へと手を掛けて構えた。
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