第99章 主役のチームはいつの時代も横並び。
横並びを諦めて各々登り行く一行。
あともう少しで登り切れる、そんな高さまで登ってきたその時…!
葵咲「っ?キャアアァァァ!!」
葵咲は足を滑らせ真っ逆さまに。
銀時「!? き…」
視界から消える葵咲の姿を目で追う銀時。銀時が葵咲を庇う為に後を追って飛び降りようとするよりも先に土方が動いた。
土方「チィッ!」
銀時「!!」
土方は視線で追うよりも先に身体が動いていた。土方は葵咲が落ちたと同時に壁を蹴り、手を伸ばしてその身を抱きすくめた。そして自らの背を地に向けて葵咲を庇いながら落ちて行く。
土方「トシィィィィィ!!葵咲ァァァァァ!!」
しーん・・・・。
叫び声は虚しく木霊するばかり。二人の返事は帰って来ない。
暫くの間、心配そうな顔を下に向けてその場に留まる三人。近藤は表情を暗くして銀時へと提案を投げ掛ける。
近藤「どうする?様子を見に俺らも降りるか?」
そんな近藤からの提案を受け取り、少しの間思案するように二人が落ちた先を眺めていた銀時だったが、やがてフッと笑みを漏らして近藤へと視線を向けた。
銀時「いや、大丈夫だろ。俺達は先に上るぞ。あいつらなら後から追い付いて来んだろ。」
近藤「そうだな。」
銀時の言葉に近藤も微笑を浮かべる。そして三人は再び上り始めた。