第99章 主役のチームはいつの時代も横並び。
信女の示す侵入経路へと辿り着いた葵咲達。その足を進める一行だが、銀時だけが非常に苦い顔を浮かべていた。
銀時「普通、侵入って裏口とか排水溝とかそんなんじゃないの。なんでこんな悪路バティックなの。」
侵入経路は、まさかの外壁よじ登りルートだったのだ。悪路のレベルを超えた侵入ルートに皮肉を込めて銀時が言う。五人は壁の小さな出っ張りやパイプ等を足場にして、何とか登っていく。銀時が苦情を漏らすのも無理はない。だがそんな銀時の愚痴に同意するでなく、土方は眉根を寄せて銀時を制した。
土方「上手くねぇんだよ。グダグダ言ってねーで さっさと登れ。」
銀時「おたくのゴリラと違って壁上りとか慣れてねーんだよ。」
近藤「俺だって慣れてねーよ!当たり前のようなゴリラ扱いやめてくんない!?」
確かに妙のストーカー行為を働いている際には電柱によじ登ったりもする。だが、壁をよじ登る事は早々ない。しかも自分がゴリラ前提に進められる話に、近藤は怒りの声を上げた。そんな場の空気を落ち着かせようとした葵咲が、銀時を宥めるように微笑を向ける。
葵咲「最近ボルダリング流行ってるから、その練習だと思えば得した気分になるんじゃない?」
銀時「なれねーよ!そもそも俺ボルダリングやるつもりないからね!」
納得させるには大分無理のある慰めだった。