第99章 主役のチームはいつの時代も横並び。
松本が佐々木に尋ねようとしたその時、何かに気付いた山崎が他の四人へと言葉を荒げた。その声量はまぁまぁデカイ。
山崎「しっ!静かにィィィ!誰かいます!」
神楽「お前の声が一番うるさいネ。」
むしろ山崎の発言で、その誰かに見付かってしまうのではないか。そんな状況から神楽は呆れ眼だ。
山崎の声で五人は物陰へと隠れる。目を凝らしながら現れた人物の様子を伺うが、相手も建物の陰に隠れていてはっきりと容貌が見えない。だが荒々しい様子は見受けられず、火事場泥棒等の類ではなさそうだ。その雰囲気を感じ取った山崎は小声で佐々木へと意見を求める。
山崎「この村の人ですかね?」
佐々木「それにしては不自然です。自分の村に誰もいないこの状況で、あんな物静かに平然と歩けますか?」
山崎「…確かに。」
佐々木の意見は最もなものだ。もし自分がこの村の人間で、人っ子一人いない状況を目の当たりにしたら大声で人の存在を確認するだろう。山崎は自分に置き換えて考えてみると、そんな答えが出て来た。
仮に一度この状況を目に入れており、再度戻って来た場合だったとしても平然とは歩けないだろう。そそくさと自宅に戻りたい、そんな雰囲気だ。それを踏まえた上で佐々木は意見を付け加える。
佐々木「仮にこの村の人間だったとしても、この異様な状況を受け入れている者、事件に関与する者と見て良いでしょう。」
佐々木の意見に山崎は静かに頷いた。と、ここでその人物の姿を捉えた松本が声を上げる。
松本「!…あれは!」
佐々木「知っている人ですか?」
その人物を目にして声を上げる松本に言葉を掛ける佐々木。だが松本は、佐々木の質問に答えるでもなく、ただただ冷や汗を垂らしながらその人物を見つめていた。
松本「しかし…何故・・・・!?」
新八「松本さん?」
表情を曇らせていく松本に、四人は怪訝な顔を浮かべた。