第99章 主役のチームはいつの時代も横並び。
松本「こちらの家に至っては電気も点けっぱなし。すぐ戻る予定だったのではないでしょうか。」
山崎「・・・・・。」
松本「工場関連とはまだ断定出来ませんが、何らかの事件に巻き込まれている事は間違いないでしょう。」
不気味な雰囲気しかない天狗村。調査で訪れた為、何か証拠となるような物が出てきて欲しいと願う一方で、危険な物は出てこないで欲しいという複雑な心境が入り混じる。
山崎が恐る恐る歩を進めていると、先陣を切って掛けて行った神楽の叫び声が上がった。
神楽「ギャアアアァァァァ!!」
その声を聞いた新八、山崎、松本の三人は慌てて声のする方へと向かった。そこには腰を抜かして座り込む神楽の姿が。
新八「どうしたの!?神楽ちゃん!」
神楽「なんか変な生き物がいるアル!!」
言われて神楽の指差す方へと目を向ける新八。そこには今まで見た事のない謎の生命体がカサカサと地を這っていた。
新八「うぉォォォ!!ば、化け物ォォォォォ!?」
新八も神楽同様腰を抜かしそうになるが、ギリギリのところで何とか踏みとどまった。山崎と松本はその一歩後ろで様子を伺っている。四人が固まっていると、後方から銃声が轟いた。
――― パン!!
打ったのは佐々木だ。
銃弾は新八達の横を掠めて異形の化物に届く。化物は『キシャァァァァ』という雄叫びを上げ、少しの間悶えてから こと切れた。
完全に動かなくなった事を確認してから佐々木は銃を下ろす。そして至って涼しい顔で新八達の横をすり抜け、化物の前へと腰を下ろした。
佐々木「異形の化物にも銃が効くようで何よりでした。」
新八「なななっ、何なんですか!?これェェェェェ!!」
佐々木「天人…とは違うようですね。」
神楽「変な生き物アル。」
新八、山崎、佐々木がおずおずと化物を覗き見る中、神楽がその手を伸ばそうとした。だがそれを見た松本が声を荒げて神楽を制する。
松本「素手で触れてはいけません!毒を持っている可能性があります!」