第11章 情けは他人の為ならずって諺は、結局は自分の為になるって意味。
その夜、隊士達は全員、私服で屯所内の道場へと集められた。今夜はここで雑魚寝状態で夜を明かすことになったのだ。
近藤「とにかく、各々で居ては危険だ。今夜は皆で集まって夜を明かすぞ!」
総悟「葵咲姉ぇ、俺から離れないで下せぇ。後でコッソリ二人で抜け出し…」
土方「だからオメーは何しようとしてんだァァァ!!」
葵咲の手を握りながら言う総悟の手を剥がし、土方は怒りながら言う。それに対して総悟は冷たい目つきで土方を見た。
総悟「土方さん、男の嫉妬は見苦しいですぜぃ。」
土方「誰が嫉妬だてめぇ、ちょっと表に出…」
土方が総悟の胸倉を掴んで、決闘を申し込もうとしたその時、またもや停電が起こった。
近藤「来たァァァ!奴らが来たァァァァァ!!皆落ち着けェェェェェ!!!!!」
土方「お前が落ち着けェェェェェ!!」
二人がそう叫んでいると、道場の入口に謎の生物、キメラアントが現れた。キメラアントの姿を見て隊士達は刀を鞘から抜いて構える。私服に着替えていたが、今夜も襲撃される事は予測されていたので護身用に皆刀を持参していたのだった。
最初現れたのは一匹だったが、その後ろに続々とキメラアント達が押し寄せる。そして道場の中へと入ってきた。
近藤「ぎゃあァァァァァ!!ホントに押し寄せてきやがったァァァ!!」
山崎「しかも物凄い大群だよ!半端なくお怒りだよ!!」
隊士達は皆次から次へと現れるキメラアントを片っ端から斬っていく。だがそれでも次々と押し寄せるキメラアントは途切れる事がなかった。
土方「くそっ!!一体何体出てきやがんだ!!」
するとキメラアントの一匹が葵咲の方へと向かっていった。葵咲は戦うつもりがなかったので、刀を持ってきてはいなかった。
土方「!? 市村ァァァァァ!!」