第10章 いくつになっても怖いものは怖い。
近藤「何言ってるんだトシ、キメラアント相手に念能力なしで勝ち目はないぞ。まずは水見式だ。」
土方「アンタその前に『発』が出来ねぇだろ。『発』が出来なきゃ水見式出来ねぇんだよ。」
総悟「そんなもん必要ないでさぁ。奴ら懐中電灯当てたらビビって逃げて行きやしたぜ。だからまたヤツらが現れてもこれで…。」
昨晩の報告の為に持ってきていた懐中電灯を見ながら総悟がこの状況の打開策について提案した。
その時、ニュースでもキメラアントについての詳細、その習性や特徴が流れた。流れる映像のキメラアントは昨晩三人が見た形とほぼ同じ、スズメ蜂のようにも見える姿。ハンター●ンターのキメラアントの長、女王蟻のような姿をしていた。
草野「キメラアントは暗闇で行動し、明るい光に弱いとの事ですが、決して奴らに光は当てないで下さい。キメラアントの習性上、必ず復讐します。いいですかキメラアントに遭遇しても絶対に光は当てないで下さい。仲間を引き連れて必ず貴方の元に戻ってきます。」
どうやらこの世界でのキメラアントは、ハンター●ンター世界のキメラアントとは性質が違うようだ。だがしかし、一番やってはいけないと言われている事を、もう既に昨夜のうちに行なってしまっていたのだった。
これにはテレビを見ていた全員が固まってしまった。
「・・・・・・・・・・。」
近藤「おぃィィィィィ!!ヤベェよ!今日間違いなく復讐に来るよ!キメラアントの大群が押し寄せてくるよォォォ!!やっぱりここは今から念能力の修行して…。」
総悟「けっ、上等でィ。キメラアントだか何だか知らねぇが返り討ちにしてやりますぜぃ。ちなみに俺ァ今夜は張り込みですんで屯所には戻りやせん。」
近藤「ちょっとォォォ!総悟ォォォ!!許さん!許さんぞォォォ!!俺も連れて行って下さい!!!!!」
土方「オメーらふざけんのもたいがいにしろォォォォォ!!」
二人のやり取りを一喝する土方。そして今度は真剣な表情で考えだした。
土方「…さて、どうするか…。」
そうして特に打開策は思い浮かばぬまま、夜を迎えたのだった。