第98章 頭脳派と肉体派に分かれるのがチーム分けの定番。
色々と話が矛盾している。佐々木の都合の良い解釈と提案に激昂する銀時だが、それを見た葵咲が銀時を宥めようと、笑顔を浮かべながら銀時の背をポンポンと叩いた。
葵咲「まぁまぁ。そもそも銀ちゃんは頭脳派じゃないじゃん、仕方ないよ。」
銀時「そういうお前もしっかり工場チームに入れられてるからね!気付いてる!?お前も脳筋扱いなんだよ!!」
笑顔というよりはヘラヘラしているだけのように見える葵咲。決してヘラヘラしていられる処遇ではない。自分の発した言葉は全て葵咲自身に返っているのだ。それを促す銀時だが、葵咲の表情は改まらなかった。
そしてここで滞った調査計画話を進める為、松本が先に進むよう話を切り出す。
松本「調査する時間帯についてはどうします?同時に行動し始めますか?」
佐々木「いえ、隣村チームは早めに行動開始しましょう。探索するのは日中の方が良い。逆に工場チームは夕方以降、日が暮れてから潜入した方が関係者にも見つかりにくくて良いでしょう。」
松本「そうですね。分かりました。」
と、ここで少し気になる事が。葵咲はその“気になる事”を、こっそり銀時へと耳打ちした。
葵咲「そういえば太郎ちゃん、何処行ったんだろう?大丈夫かな?」
銀時「大丈夫だろ。案外天井裏でちゃっかり話聞いてたりすんじゃね?」
実は図星の桂。
桂は真選組登場の際にエスケープしたが、先に宿へと戻り、様子を伺っていたらしい。そして銀時の部屋へと移動した際に天井裏へと隠れたのだった。
大方の方針は決まった。これ以上はここで話す事もなく、顔を見合わせ睨み合う必要もない。この場は解散、という事で佐々木が立ち上がる。
佐々木「それでは明日、それぞれ行動開始と行きましょう。明日に備えて工場チームの皆さんは日中睡眠等、夜間活動の為に準備・コンディションを整えておいて下さい。」