第98章 頭脳派と肉体派に分かれるのがチーム分けの定番。
銀時「ねぇちょっと。何か勝手に話進んでるけど。俺は入ってないよね?」
そんな銀時からの質問を無視して佐々木は話を続けた。
佐々木「ではチームを二つに分けましょう。工場探索チームと天狗村…隣村探索チーム、五人ずつに。」
銀時「あぁっ!やっぱり俺もしっかり人数に入れられてるゥゥゥ!!」
想像の範疇ではあったが、最悪の事態に叫び声を上げる銀時。両手で頭を抱えるも、皆はそんな銀時を無視して話を進める。チーム分けと聞いて、まず一番に手を挙げたのは神楽だ。神楽は佐々木へとキラキラした目を向けた。
神楽「私、工場チーム希望ネ!楽しそうアル!」
そんな神楽の意見に対し、佐々木は至って変わらぬ冷静な瞳で神楽を見つめ返す。
佐々木「貴女は隣村チームで。」
神楽「なんでアルか!」
佐々木「どちらも危険を伴うと思いますが、明らかに危険度が高いのは工場チームです。民間人の女・子どもを工場チームには入れられません。警察として責任問題に問われますので。それに相手の出方によっては不法侵入扱いされる可能性がありますからね。」
警察関係者、ましてや見廻組局長の意見としては至極当然のもの。だがこれを聞いて意見を唱えるのは神楽ではなく銀時だった。
銀時「俺(民間人)を攘夷浪士どもの中に潜入捜査させたのは何処のどいつだよ。」
佐々木鉄之助登場シーン(コミック第42巻365訓~)の話である。それはつい最近のこと。知恵空党(チェケラとう)調査の為に銀時が潜入捜査で派遣された事件だ。その一件において銀時は真選組に自分が元攘夷志士の白夜叉である事が露見したのだ。忘れられるはずもない。
そんな銀時のツッコミすらもスルーして神楽は駄々をこねはじめた。
神楽「嫌アル!工場がイイネ!」
銀時「こいつなら工場チームで大丈夫なんで。戦闘力も問題ないんで。そこらへんのガキと違って最強種族なんで。俺は隣村チームに入れてもらえますか。単なる民間人なんで。」
調査に加えられる事はもう仕方がないとして、少しでも楽な方に行きたい。工場調査は避けたいと考えた銀時は隣村チームを志願する。