第98章 頭脳派と肉体派に分かれるのがチーム分けの定番。
皆の持ち寄る情報や意見等が出揃ったところで、葵咲が真剣な表情を掲げ、挙手して佐々木へと向き合う。
葵咲「あの、私達も調査に加えて頂けないでしょうか。事態は思っているよりも大きくて深刻な気がします。」
銀時「私“達”って、まさかそれ俺は入ってないよね?」
葵咲の発言に気になるものがあった。隣に座っている事で自分を一味に加えられてはいまいか。だがそんな銀時の心配には誰も反応せず、次には土方が煙草に火をつけながら佐々木へと視線を向けた。
土方「俺達も加わる。恐らくこの件には、宇宙海賊“鐡”が関与しているとして、ほぼ間違いねぇ。華月楼にあった段ボールと同じ物を工場で見掛けたからな。」
松本「私もお願いします。鐡の作る薬が関係しているなら私も加わるべきではないかと。」
土方の差し示す“俺達”とは勿論の事ながら、土方、近藤、山崎の三人の事だろう。真選組として見過ごせない案件だ。今回葵咲は休暇中。そんな葵咲の示す“私達”に、自分達は含まれていないと判断した土方は別途申し出たのだ。
そして松本、彼は今となっては真選組の一員。だが松本は専属医であり、隊士ではない。土方の示す“俺達”に含まれていないと見て、松本は独自に志願したのだ。
そんな続々と申し出る調査同行に、勿論この二人も黙ってはいなかった。
神楽「私も入るネ!」
新八「乗りかかった船です。僕らにも何か出来る事があれば。」
銀時以外のメンバーから向けられる真剣な眼差し。その瞳には熱い炎が宿っており、ちょっとやそっとでは引き下がる様子は見受けられない。そんな様子を見た佐々木は大きなため息を吐いて深く目を瞑った。
佐々木「…やれやれ。分かりました。下手に断れば独自調査となって危ない橋を渡られ兼ねない。それならいっそ一緒に調査する方が良いでしょう。それに、思っていた以上に大きな案件、私としても人手が欲しいと思っていたところでした。宜しくお願いします。」
佐々木からの返答を聞き、歓喜の表情を浮かべる者や、当然といった様子で目を瞑る者、安心したように息をつく者等それぞれが調査に加わる事を喜ぶ。そんな中、銀時だけは不服そうな顔を浮かべていた。そしてその苦言を口から吐露する。