第97章 スイートルームはエリートの為の部屋。
そうして今度は佐々木の誘導のもと、場所替えを行なう。
移動した先で顔を見合わせる十人。薄暗く、狭い室内で十人は行燈を囲んで睨み合う。並び順は上座から時計回りに、佐々木、信女、神楽、新八、銀時、葵咲、松本、山崎、土方、近藤である。そんな誰もが真剣な眼差しを向け合う中、一人の男だけは苦い顔を浮かべていた。
銀時「・・・・・。」
佐々木「さて。今回の件ですが…。」
苦い顔を浮かべる男、それは銀時だった。そんな銀時を無視して話を切り出そうとする佐々木に対し、それを制するように銀時が立ち上がった。
銀時「ちょっと待てェェェェェ!!場所変えるって部屋移動しただけだろうがァァァァァ!!なんで部屋変わったの!?部屋変わる事に何の意味があったの!?むしろさっきより狭くなって話しづらくなってんだけど!!つーかなんで俺の部屋だァァァァァ!!」
そう、意味深に場所移動を促された一行だったが、辿り着いた先は銀時(当初は桂も同室)の部屋だったのだ。ちなみに行燈は雰囲気作りに利用しただけである。
てっきり今回の一件と関わりのある場所へ移るのだと思っていたのだが、まさかの自分の部屋での会合に異論を唱える。それに対して佐々木は至って涼しげな顔で答えた。
佐々木「私の取ったスイートルームはエリートのエリートによるエリートの為の部屋ですから。エリートでない方に汚されるのは嫌なんですよ。」
銀時「だからって何で俺の部屋!?」
そこで銀時はチラリと近藤や土方、山崎の方へと視線を向ける。その視線に対しても三人は口を揃えて涼しい顔で答えた。
「俺らの部屋も汚れるの嫌だし。」
銀時「テメーらの宿泊費は税金だろうがァァァァァ!!」