第96章 神は乗り越えられる試練しか与えなくても、人は与えてくる。
宿へと戻った二人は一時解散。葵咲は自分の泊まる部屋へと入り、念の為 刀の準備に。そして銀時も桂に事情を説明して連れ出す為に自分の部屋へと戻った。
部屋に入って早々、桂はニヤけ顔。ニヤニヤと向けられる眼差しに銀時は苛立つ。
桂「どうやら葵咲とのデート、満喫出来たみたいだな。」
銀時「うるせェェェェェ!!今それどころじゃねーんだよ!!出るぞ。子ども(ガキ)がいなくなったらしい。工場の方に行った可能性が高いみてぇだ。」
桂「!」
“工場の方に行った”、その言葉だけで桂も事態が深刻な状況だと判断する。先程車で通り掛かった際に感じた異様な雰囲気。天狗村だけでなく、工場からも違和感を感じていたのだ。侍としての直感なのかもしれない。
桂は真剣な表情へと改め、腕組みしながら銀時へと向き直った。
桂「…嫌な臭いがするな。」
銀時「ああ。」