第95章 恋のキューピッドは大半が自己満足。
葵咲「いや!でも!そんな!!いきなり〇〇とか〇〇〇とかするのは!如何なものかとォォォ!!そういうのは段階を踏んでするべき事だと思いますっ!!!!!」
銀時「誰もそこまで言ってねーよ。」
まさかの下ネタ発言に銀時は冷静さを取り戻す。そんな冷静な銀時を見て、葵咲は何かに気付いたようにハッとなって頬を赤らめたまま銀時を見上げた。そして葵咲は少し慌てた様子で言葉を返す。
葵咲「えっ?あっ!もしかして今だけの彼女役ってこと!?」
銀時「えっ!」
葵咲「ご、ごめん!私ってばとんだ勘違いを…!だったらあの、…手とか繋ぐ・・・・?」
銀時「っ!!!!!」
この時の葵咲の赤面は先程までのものとは少し意味合いが違う。早とちりをしてしまった事に対する気恥ずかしさから来るものだ。ただ単に彼女役をやれ、と言われたのに本当の彼女になれと言われたと勘違いした事に対する気恥ずかしさ。自意識過剰ぶりに赤面したのである。
だがそんな初々しい葵咲の態度にグッきてしまった。顔を真っ赤に染めたまま、きゅっと目を瞑りながらおずおずと差し出される右手に、銀時はまたもや言葉を失う。いや、言葉にならない。今まで意識していなかったが、これは意識せざるを得ない。銀時はまたもや顔を真っ赤にしながら手で口元を覆う。
そして自らの異変に気付いた。
(銀時:・・・・あ。)