第10章 いくつになっても怖いものは怖い。
土方の部屋に置いてあった懐中電灯を手に持ち、葵咲は廊下をさくさくと進んで行く。
葵咲「懐中電灯あって良かったよね。」
土方「おい!んな不用意に進むんじゃねーよ!ヤツら何処から出て来るか分かんねぇんだぞ!ヤツらはいきなり出てきて取り憑くんだぞォォォ!!」
葵咲は後ろで叫ぶ土方を振り返り、呆れた様子で言葉を返した。
葵咲「まだ幽霊って決まったわけじゃ…。」
二人がそんな会話をしていると、向かう先の方から何やら物音が聞こえてきた。
葵咲「! あっちの方から音が…。」
土方「慎重に行けェェェ!そぉっとな!そぉっと…。」
その時、土方の背後から突如、何者かの声が聞こえてきた。
「ひ~…じ~…か~…たァァァ~…。」
その声に思いっきり吃驚した土方は、叫びながら、またもや葵咲にしがみついた。
土方「のわァァァァァ!!!!!」
総悟「てめぇどさくさに紛れて何葵咲姉ぇに抱きついてやがんだァァァ!!」
土方「…って総悟かよ!吃驚させんじゃねぇよ!!」
安心した土方は、急いで葵咲から離れる。