第94章 タイムカプセルの中身にも格差がある。
“想い出話をしている時あるある”である。周りが懐かしの話題で盛り上がるも、自分一人ついていけない時。自分が単に忘れているだけなのか、知らない事項なのかさえ分からない状態。そんな時は適当に話を合わせるというやつだ。だがそれも嘘の下手な葵咲には荷が重かったらしく、その誤魔化しを銀時が瞬時に見抜いたのだった。
さて、気を取り直してタイムカプセルの中身確認。次に一枚の封書を見付けた。
葵咲「あ。手紙が入ってる。」
長谷川「王道だな。未来の自分へってか。」
未来への手紙とは。何年後かの自分をイメージし、そんな未来の自分へ宛てて書かれた手紙だ。幼い頃に書く未来の自分への手紙と言えば、大人になって何をしているか、だろう。どんな職業に就き、どんな人生を送っているのか。そのイメージや願望が綴られた手紙が大半。葵咲は手紙を開き、文章を読み始める。
葵咲「『ストレートヘアの自分へ。』」
長谷川「…誰が書いたか想像つくんだけど。」
即効自分の願望が綴られている。執筆者の予測がついた長谷川は、チラリと銀時の方へと目をやった。そんな長谷川には構わず、葵咲は手紙の続きを読み上げる。
葵咲「『今でも変わらずサラサラの黒髪ロングをキープしていますか?シャンプーはヴィダル●スーンですか?そろそろ年齢も考慮したシャンプーに。スカ●プあたりに変えた方が良いかもしれませんね。これは断じてヅラじゃない桂だ。』」
長谷川「オメーかよォォォォォ!!紛らわしいな!つーかガキの頃からなんつー心配してんの!!」
桂の手紙だった。想定外の執筆者に桂の方へと向き直ってツッコむ長谷川。そんな長谷川のツッコミは無視され、タイムカプセルの中身確認は続く。
葵咲「あ、また手紙が入ってる。」
長谷川「今度はちゃんとしたやつだろうな…。」