第94章 タイムカプセルの中身にも格差がある。
四人はタイムカプセル探しを続け、数分後にようやくそれらしき箱を掘り当てる。
葵咲「あ!あった~!どれどれ・・・・?」
タイムカプセル等と大層な名前を付けていても、入れているのは単なる木箱だ。寺子屋の生徒達で持ち寄った品々を適当なサイズの木箱に入れ、ビニール袋で包んだだけのものである。
葵咲は土を払ってビニール袋から箱を取り出す。ワクワクしながら、丁寧に木箱を開ける葵咲。銀時、桂、そして長谷川も箱の中を一緒に覗き見る。中から一番最初に出てきたのは・・・・
葵咲「“ボンバーマン”だ。」
スーパーファミコンのカセットである。それを見た、この場にいるメンバーのうち一人が挙手をした。
銀時「あ~それ俺のだわ。何処にしまったか忘れてたけど、そうか。ここに入れてたか。」
長谷川「名前ハッキリ“たけし”って書いてあるけどォォォ!?お前のじゃねーだろコレ!つーかお前もたけしから借りパクしてたのかよ!“天地を喰らう”の件、こちとら忘れてねーからな!!」
銀魂コミック38巻、第333訓参照である。殴られ屋が訪れた際に勃発した借りパク騒動。どうやらここにも借りパクしたカセットが隠されていたようだ。
二人の争いを聞き、少し目を丸くして桂も会話に加わる。
桂「なんだ、お前達もたけしから借りていたのか。懐かしいな。実は俺は“スーパーモンキー大冒険”をだな…。」
長谷川「たけしの話はもういいよ!花咲かせる必要ねーよ!」
うんうん、と遠い日の想い出を振り返るように懐かしむ桂。だがそんな桂に長谷川がすかさずツッコミを入れる。ここにはいない、しかもどんな人物かさえよく分からない“たけし”について花を咲かせても仕方がない。だがここで話は終わるのではなく、一人会話に取り残された葵咲が冷や汗を垂らし、目を泳がせながら会話に入って来た。
葵咲「へ、ヘェ~…皆も…た、たけし君?から借りてたんだー。わ、私も実は~…。」
銀時「お前絶対ぇたけし覚えてねーだろ。つーか知らねーだろ。無理して話合わせなくて良いって。覚えてるフリやめろ。目ぇ泳ぎまくってんだよ。」