第93章 世間は狭い。
葵咲は『うんうん』と納得したように頷いているのに対し、後部座席の二人は特に興味がない様子。銀時は『ふーん。』とだけ言葉を返した。
そして銀時は興味のない話にピリオドを打つかのように、頭の後ろで両手を組みながらサッと話題を切り替える。
銀時「いや~でも助かったな。結構タク代掛かると思ってたけど。持つべきものはやっぱりトモダチだな。」
長谷川「都合の良い時だけ友達面すんのやめてくんない?踏み倒す気満々じゃん!」
銀時の言葉の意味に気付いた長谷川は即座にツッコむ。だがそんなツッコミに対して今度は桂が言葉を返す。
桂「友達面じゃない、桂面だ。」
長谷川「いや、ややこしーよ!今そのツッコミいらなくね!?どーでも良いわ!つーか友達でも代金は払ってもらうからね!?」
三人「・・・・・。」
長谷川「返事はァァァァァ!?つーか葵咲ちゃんまで何踏み倒そうとしてんの!!」
唯一味方だと思っていた葵咲さえもタクシー代を踏み倒そうとする悪の所業に長谷川は大きくツッコんで涙した。