• テキストサイズ

銀魂 - 雪月花 -

第92章 長距離列車で食べる駅弁はいつもより美味しく感じる。


食事を始めた葵咲達だったが、少し箸を進めたところで葵咲はコクリ、コクリと虚ろな目を浮かべ始める。


銀時「おい。食うか寝るかどっちかにしろよ。エースみたいになんぞ。」


アラバスタ編に登場したポートガス・D・エース。彼は食事の真っ最中でも眠る男だった。それを思い出した銀時はその事を告げるが、葵咲は首を横に振る。


葵咲「大丈夫、食べながら寝る技は習得済だから。」

銀時「エースじゃなくてルフィの方だったァァァァァ!!」


ONE PIECE、第45巻参照。激闘の後 何日も眠り込み、食事を逃してしまう事を恐れたルフィは寝ながら食事を取る技を身に付けている。その事を言っているらしい。
うとうとする葵咲を見て桂は笑い声を上げた。


桂「はっはっは。さては昨日の晩眠れなかったな?まったく、しょうのないヤツだな。遠足気分は分かるが、ちゃんとおやつは三百円以内に納めてこそ武士の務め。ぬかりないだろうな?」

銀時「遠足気分はオメーだろ。三百円分おやつ持ち歩いてる時点で武士失格だよ。」


“武士は食わねど高楊枝”という言葉がある。本来武士とは食べる事そのものを我慢するのでは。三百円分のおやつを持つ事は我慢出来ていない証拠である。

銀時からの忠告を受けても、弁当を持ちながらうとうとする葵咲。今にも寝落ちしそうだ。それを見た銀時は葵咲の顔を覗きこんで心配する。


銀時「おい、ホントに大丈夫か?」


銀時からの質問に、葵咲は目をゴシゴシ擦りながら答える。


葵咲「んー…一週間休みもらうからと思って、昨日の晩なるべく仕事終えてきたから…。」

銀時「んなもん他の奴にやらせりゃいーだろ。」

葵咲「…でも、申し訳ないし…、倍になって返ってくるし。有難迷惑…。」

銀時「おーい。寝ぼけて本音が漏れてるぞ。」


過去、人に仕事を任せて酷い目にあった葵咲の本音がポロリ。銀魂-雪月花-第78章、79章体調不良編参照である。
そんな言葉を漏らして直後の事、葵咲はとうとう寝落ちし、首をガクンと倒してしまった。


銀時「のわァァァァァ!!」

桂「っ!!」


ガシッ!
間一髪のところ、窓に激突しそうだった葵咲の頭を銀時が支え、落ちそうになった弁当を桂がキャッチ。一先ず葵咲も弁当も無事。その事にほっと胸を撫で下ろす二人。見事なファインプレーだ。
/ 1377ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp