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銀魂 - 雪月花 -

第92章 長距離列車で食べる駅弁はいつもより美味しく感じる。


土方「お前ら、昼飯も奢ってやったんだから尾行の邪魔すんじゃねーぞ。間違ってもここで騒ぐなよ。」

近藤「奢ってやったって…俺の自腹なんだけど。」


まるで自分の手柄のように言う土方に思わずツッコむ近藤。そして近藤が ふとここで浮かんだ疑問を漏らした。


近藤「つーか何でお前らは万事屋尾行してんの?」

神楽「銀ちゃんが一週間も留守にするなんて怪しいネ。私達に内緒で美味しいもん食べに行くに決まってるアル。」


どうやら銀時も二人には一週間程、家を開けると言って出てきたようだ。プンスカ怒る神楽をたしなめ、新八がそのワケを詳しく述べる。


新八「ちょっと神楽ちゃん。まぁそれはさておき、前もって一週間開けるって言って出て行くなんて珍しいなと思いまして。何かあるのかなって心配してたんですけど…心配いらなかったみたいですね。あの様子の三人に割って入って、僕らが邪魔するわけにもいかないかなって。」


そんな新八の温かい言葉に、近藤と山崎もフッと微笑を零して小さく頷く。だがそんな二人の表情を見た新八は逆に心配そうな表情を浮かべる。


新八「そんな事より、皆さんは良いんですか?その…」


『めっちゃ桂さんも一緒にいるんですけど…。』その言葉を言って良いものか。迷った新八は語尾を濁す。だがその濁された語尾を読み取った土方は深く目を瞑り、腕組みしながら答えた。


土方「今は様子見だ。攘夷浪士どもが集まってきたら集まった奴らまとめてしょっぴいてやろうと思ってな。」


その言葉を聞いた山崎がプッと吹き出し、左手を口元に当てながら右手をブンブン振った。


山崎「建前、建前。ただ葵咲ちゃんが気になって着いて来ただけ。」

土方「テメーは黙ってろォォォォォ!!」


大声でツッコむわけにはいかない為、小声ではあるが盛大なツッコミだった。土方は顔を真っ赤にしながら山崎を睨む。そんな土方を無視し、山崎は表情を綻ばせて更に言葉を続けた。


山崎「でも俺達も新八君と一緒だよ。あの様子だし、もうちょっと様子見ても良いかなって。」


真選組の面々と葵咲との間に温かい絆を感じ、新八もフッと笑みを漏らした。
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